座敷わらし

座敷わらし_台本PDF

劇台本「座敷わらし」完全版


登場人物(15人)


ナレーター(2人)
家の主人(お父さん)
主人の妻(お母さん)
長男
長女
祖母
村人A
村人B
村人C
旅人
宿の主人
座敷わらし(2人:赤と青)
村人合唱(兼任で数人)


第一幕「古い屋敷と噂」(約7分)


ナレーター1「むかしむかし、遠野の村に、一軒の古い屋敷がありました。人々は、その屋敷に
“座敷わらし”が住むと噂していました。」
村人A「聞いたか?座敷わらしのいる家は、必ず栄えるらしいぞ。」
村人B「けどなぁ、もし出ていってしまったら、その家はあっという間に衰えるんだと。」
村人C「ふん、ただの作り話だろう。見たこともないのに。」
村人A「いや、昔この村の宿に泊まった旅人が、座敷わらしを見たと言っていたぞ。」
(ざわざわと村人たちが首をかしげる。そこへ一家が登場)
お父さん「今日からこの屋敷で暮らすことになった。我らの新しい住まいだ。」
お母さん「古いけれど広い屋敷ね。掃除をすれば、きっと気持ちよく暮らせますよ。」
長男「うわぁ、広い!走り回れる!」
長女「でも、ちょっと暗いね…。」
祖母「子どもたち、怖がることはないよ。この家には“座敷わらし”がいるかもしれないんだ
から。」
長女「座敷わらし?」
祖母「子どもと遊ぶのが好きな、かわいい精霊さ。出会えたら幸せになれる。仲良く暮らすん
だよ。」
(照明を落とし、不思議な音楽で暗転)


第二幕「座敷わらしとの出会い」(約7分)


(舞台:夜の座敷。子どもたちが布団で寝ている)
(静かな笛の音。座敷わらし2人がふわりと登場)
座敷わらしA「この家の子どもたち、元気そうだね。」
座敷わらしB「うん。私たちも一緒に遊んであげよう。」
長男「だ、だれ…?」
座敷わらしA「私たちは“座敷わらし”。安心して。悪いことはしないよ。」
長女「ほんと?遊んでくれるの?」
座敷わらしB「もちろん!」
(音楽アップ。みんなで手毬遊びや鬼ごっこ風の演技。舞台上を動き回る)
長男「わぁ、速い!捕まえられないよ!」
長女「きゃははは!」
お母さん「まあ…これが、座敷わらし…。」
(遊びの合間に、村人合唱が舞台袖から歌声を入れる。「わらしのうた」風:リズムに合わせ
て「♪ともに遊べば 幸せ来るよ」など簡単な繰り返し)
ナレーター2「子どもたちは座敷わらしと仲良くなり、家には笑い声があふれました。」
(遊びのシーンを長めにすることで時間を調整可能。暗転)
第三幕「旅人の話と別れ」(約6分)
(舞台:村の宿。村人たちが旅人を囲む)
旅人「この村には、不思議な座敷わらしがいると聞きました。私も昨夜、笑い声を聞きました
ぞ。」
村人A「やっぱり本当だったのか!」
村人B「その家は、ますます栄えるぞ!」
(場面転換:屋敷の中。座敷わらし2人が少し寂しそうに座っている)
座敷わらしA「もうすぐ、次の家へ行く時が来たみたい。」
座敷わらしB「でも、この家族と過ごした時間は、ずっと忘れない。」
長女「行かないで!まだ一緒に遊んで!」
長男「ぼくたち、もっと遊びたいんだ!」
座敷わらしA「大丈夫。君たちが仲良く暮らせば、幸せは続くよ。」
座敷わらしB「私たちは姿を消しても、心の中にいるんだ。」
お父さん「ありがとう、座敷わらし。私たちは、家族を大切にして暮らしていく。」
祖母「そうだね。人の幸せは、心の結びつきから生まれるんだ。」
ナレーター1「こうして家族は、座敷わらしの思い出を胸に、力を合わせて生き続けました。」
(全員が舞台に並ぶ)
合唱「♪仲良く暮らせば 幸せ続く 座敷わらしは 心に生きる」
(最後に全員で一礼、幕)

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